華金の銀ぶら~その2「初めての料理の鉄人」~

華金の銀ぶら~その2「初めての料理の鉄人」~

2021年12月3日(金)

金曜日はお仕事をお休みして、銀座へでかけよう。しかも都民なのにわざわざ1泊で。 「銀ブラ」の語源になった「ブラジルコーヒー」は今回は飲みませんが、 観たかったお芝居を観て、食べたいと思っていたシェフのお料理を食べる。それだけだけど今しかできない要素が少なからずあるので、ずっとやりたいと思っていたことは今のうちに楽しんでいた方が良いと思う。

おゆうはんへ!

夜の銀座。走る車は全部タクシーとベンツとベントレーだけの銀座。そんな厳かで格調高そうな街を、
ミッキーのもふもふパーカーで歩いている‥
 

20代のころからテレビで知って、ずうっと味わってみたいと思っていた鉄人の料理。でも若造のひよっこめ!が興味本位に食べに行くのもなんか違うな‥
と、料理を味わって落ち着いていただく「おとな」になれるまで、その品性が自分の中に宿るまで頑なにずうっとその時期を待っていました。

今でもその品格が備わってるかは疑問ですが、でももうあの頃から20年以上も経って、鉄人も随分とご高齢になられたので、「今しかない!」
 

和の鉄人

じゃん。
今年10月から店名と場所を移動してリニューアルされた、道場六三郎さんのお店。料理の鉄人時代は、テレビで観ていてそのお料理に3人の鉄人の中でも最も憧れていました。

緊張するなぁ‥
 

最初に注文した、冷酒。「澤乃井」(←うちの地元の酒造なので飲みなれた味で落ち着こう
 

前菜
これかぁ‥鉄人の有名な一品でもある「黄金チーズ」ものってます。「和」のコースというと、流れが

椀→造り→焼き物→蒸し物→メイン→ご飯もの

とほぼ決まってるので、最初の前菜が一番その料理人の主張が出てくるところ。いいなぁ‥なんだかすごく楽しくなってきた。
 

お椀「河豚白子焼白味噌仕立 伏見豆腐・茸・柚子」

「美味しんぼ」でもちょいちょい出てくる「ふぐの白子」というものを初めていただきました。うわぁ、すごい。こんなにおいしいものだったのか‥。
 


「本日一番魚 やりいか・本マグロ・ひらめ」

やりいかは隠し包丁で舌触りも食感も楽しい。
 

焼き物
「爺さん焼き」

道場さん界隈ではちょっとした代表とうわさの一品。道場さんがおじいちゃんだから、「爺さん焼き」ということではなくて、道場さんのおじいさんが作ってくれた思い出の料理なのだそう。

熱く熱した石の上で焼かれた包み焼を取り分けられて、中を広げると‥
 

海老・烏賊・木の子・春菊
そしてとうとうパスタも入りました!パスタが入っても完全に「和」の風味です。

これには服部先生も驚くことでしょう。料理記者歴40年の岸朝子さんも「おいしゅうございます」ってなるに違いない‥。
ふくよかな海老味噌や烏賊の海鮮がまずふわーっと立ち込めて、春菊がなんとも冬らしい。

そしてこのタイミングで本日のお品書きが出てきました。。。
 

「はい!福井さん!どうやら鉄人、本日は8品の模様です!!」
 

蒸し物
「寒鰤松前蒸し」

寒鰤はまさに今が旬。お出汁にはカツオも加わってるかな?鰤が脂がのってて旨味がすごい!舞茸の相性もすごくいい。

「あぁ‥この昆布は羅臼のですね。」

とか言ってみたい‥。
 

ここでお酒2本目。
「石川県の農口尚彦研究所 NOGUTINAOHIKO(本醸造)」

せっかくだから、道場さんの故郷である石川県のお酒と合わせてみようと、最初「黒帯」を聞いてみたのですが残念ながら今仕入れができないみたいで、もうひとつの石川のお酒をお願いしてみました。
あこれ、すごく日本酒にしては風味が強い感じ!
 

強肴
「鰤かまの塩焼」

メインはローストビーフと鰤と鯛がその日は選べるようで、どれにします?って尋ねられたのですが、鰤がさすがに脂がのってておいしいので寒鰤の塩焼。そして見た目にも美しい‥。

そうか、こういう付け合わせの獅子唐はそのまま素焼きではなく、出汁を吸わせてから焼くといいのか‥
あぁ‥白いご飯があったらなぁ‥
 

食事
「新そば お好みで温または冷」

うちは冷たいおそばにしていただきました。秋そば新そばも季節ですものね。
そうかぁ‥冷たいときゅうりの千切りも薬味としていいものですね。

お揚げの短冊もいいお味。

「お蕎麦もお店で打ってるのですか?」

と尋ねてみたら、本当はそうしたいところなのですがなかなか今そこまで手が回らないのでお蕎麦自体は外注なのだそうでした。新そばのそば粉はどこのだろう‥?常陸の秋そばかな?と思ったら、福島だそうです。うわ、惜しい!そばの風味がいいですね。
 

御菓子
「季節のフルーツゼリー オレンジシャーベット 芋ようかん」

やったー!お芋系だいすき!

 

*    *    *

 

いつもぴとっとありがとうござます。

 

初めて訪れた銀座の鉄人のお店。行く前まで、店内はどんな世界なんだろう‥?と、とても緊張していましたが、

一人で入っても角の壁際の落ち着ける席ですごく安心しました。板場には7人のお弟子さんが忙しく調理をしていて、その光景を眺めてるだけでもいい時間を過ごせたなーという感慨深いもの。

隣のお席のテーブルは恐らくテレビ局の上の方の人たちの接待みたい。しきりに「ぼくのマンションは数億円でー」の話が終わらない‥。遠くの方のお席にはどこかで見かけたことがありそうなかたも2人いらしていました。
 

御年90歳。
やっと来られました。

おいしかったです。ぜひまた来させてください。

以上